スニーカー修理について。

今回はスニーカー修理についてです。

当店では開店時より現在まで、修理内容の1部として【スニーカー修理】と謳わせていただいております。

この【スニーカー修理という言葉】は多くの方の目をひき、それに比例して多くのご相談をいただくのも事実なのですが、
過去の記事にもありますように、【ソール自体に機能があるもの】【ソール自体がデザイン性が強いモノ】・・・
(トータル的に造りや素材という事になると思うのですが、)は当店では修理不可能のご判断をさせていただいております。

(・・・とはいえ、どこがそのラインの境目なの?という事にもなると思いますが・・・。)

下の画像は過去の当店でのスニーカー修理一例になります。

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【カカト修理の一例】(造りや素材によりしっかりと施す事が困難。と当店ならでは?の判断の場合もございます。)

 

 

 

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【オールソール一例】(造りや素材によりしっかりと施す事が困難。と当店ならでは?の判断の場合もございます。)

 

 

当店では【エアバッグ再挿入】の技術はございませんが、再び履くことは可能との見解での進行です。

 

【ポリウレタン独自の劣化(加水分解)】です。(EVA素材にてご対応です。)

 

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実は過去から現在に至るまでに【スニーカー修理】と謳っている事に私自身が抵抗があり、
何度も謳うのを止めようかと思いました。

実に【スニーカー修理】という事で多くの方が望まれているモノは上の画像のモノではなく・・・
NIKEのエアージョーダンであったり・・・。と。

当店はそれらのご対応は【技術不足】という主だった理由から、実に上記しました【お断り要素】に当てはまり
多くの方をガッカリとさせてしまっています。。。

しかしもって、何故謳うのを止めないか?と言われれば、上の画像のような修理は可能だからです。

実はこの画像の中には、他の修理店さんで【スニーカー】と伝えてしまったが故に【厳しい】と判断されたモノもございます。

そう言った意味合いでは、これらの修理を施されたお客様さまにとっては、
私が謳わせていただいている【スニーカー修理】の範疇でも先に進められた。ということになります。

【グレーゾーンに舞い込んだ靴を、1足でも多くお直し出来れば・・・。】

これが、未だに私が【スニーカー修理】と謳い続ける要因になります。

実はこれらの靴(スニーカー)達は普通に行われている靴修理の内容で、
ある程度のご対応が可能な造りや素材をしています。

(実に画像のスニーカー達の造りはご婦人用として多く見受けられる(普段履きに使用されている)多くの造りの靴と同様なのです。)

では、何をもって【スニーカー】なのでしょうか??

調べてみれば、英語で【忍び寄る】→【Sneak】ということが語源に【音がしない靴底の靴】ということになるそうです。

しかし、多くの方は目で見える範囲でのご判断だと思います。
上の画像の靴達は多くの方からみれば、スニーカーだと思います。が・・・如何でしょうか??

しかし、造りや素材から、お客さまご自身が【革靴の修理】という事でご依頼されれば
もしや多くの修理屋さんがスムースに引き受けてくれる条件のモノ達だったのか~もしれません。。。

これに関しては、【面白い】一例がございます。

「皆さんにとって、これはスニーカーですか?革靴ですか?」

 

実は、【スニーカーの修理】という名目でご依頼をいただいた靴になります。
(元からこのような造りでした。)

どうでしょう?難しいと思われませんか?

では次にこちらはどうでしょう??

こちらは、【音がしない靴底】という観点から、絶対にスニーカーではありません!!と断言出来ますね♪
なぜならば・・・【押し笛】が仕込まれているからです。「キュッ♪キュッ♪」

というワケで、このような事から未だに当店では【スニーカー修理】と謳わせていただいております。

世の中には既造になるべく近づける努力と当店には無い素晴らしい技術をお持ちで
スニーカー修理にご対応されているお店もございます。

また昨今は一部のスニーカーのメイカーさんもメイカー修理を始められていらっしゃるので、
そちらもオススメしたいと思います。【ニューバランス・パトリック(MODEL限定でのご対応のようです。)】

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最後に・・・お客さまの立場より、見た目だけでスニーカーと判断されてしまうと、
修理に関しては【グレーゾーン】に引き込まれてしまうタイプの靴達があるのも事実。ということを
少しでもご理解いただければ良いなぁ。。。と思い今回の記事を記させていただきました。

あくまで持論が先立ってはおりますが、当店で対応可能な上画像のようなスニーカー?達であれば、
引き続きご対応させていただきたく思っております。

よろしくお願いいたします。

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靴修理・鞄修理店 東山Repair Garden【リペアガーデン】

〒464-0027 愛知県名古屋市千種区新池町4-72 TEL&FAX 052‐753‐7248
営業時間 11:00~19:00 定休日・・・土曜日

CONVERSE【コンバース】ソール補強

今回はコンバース/スニーカーのソール補強になります。

 

この造りのコンバースはカカトが減ってきたなぁ。。。と感じられる頃には
ソールが【ペコペコ】【タワタワ】【穴アキ】というのが通例です。

そのような症状の物の修理加工依頼をよくいただくのですが、
正直なところ、当店の見解では安心して再び履く為の修理加工は【厳しい】という判断をさせていただいております。

理由に、どうしても新規修理素材をアテガウに伴い、土台が柔くては・・・または空洞では・・・
その新素材の定着もまた厳しい。という私の見解からです。

またその都度、多くのお客さまから付け加えいただく言葉として、【水が入ってくるので・・・】ということがあります。

これまた上記のような事を基に、接着での新規修理素材対応では
心配要素が多すぎる。という事を感じております。

加え、修理加工に際しその靴(ソール)の面を整えあるのであれば
新規修理素材はごくわずかな厚みの物でしか対応できない。。。ということから
減り具合も確実に早く感じられることがあると思います。

・・・という事を踏まえますと、当店ではカカトがペコペコになってしまったラバー素材1枚造りの
スニーカーへのご対応は厳しいとの判断になります。

【これはどの修理店さんでも同じ見解ではないと思いますので、あくまで、当店では。という事になります。】

そのような事から、あくまでも今回の加工は【補修】でなく、【補強】作業という事になります。

※新品、あるいは新品に近い(土台がしっかりしている)ソールが前提に
交換可能な【消耗パーツ装着】というような加工という事で捉えていただきたく思います。

 

お客さまのこちらへのお靴のこだわりも伝わり、きちんとご理解をいただき進行させていただきました。

今回は【大半がBLACK】仕様。、素材多数の黒色素材はもちろん、
割きれれば、他色で。というような好条件から、お客さまがセレクトされた【Vibramのタイヤ柄素材】でのご対応です。

(これが真っ白・・・真っ白で仕上げたいという場合は、正直素材は限られてしまいます。。。)

そつなく、まとまっていると思いますが、いかがでしょうか??
私的には【非常にクレバーなご対応】だと思います。

 

このような【交換可能なソール】を先に施す事で、以後しばらくはこの加工を繰り返す事が可能になります。
それは、実に【延命】ということにつながると思います。

スニーカー修理の門が狭いのは【構造上】という事がついてまわるからだと思います。
形はそれなりに整えど・・・果たして安心してしばらく履けるのか?ということでは
決してオススメ出来ないのが現実です。

しかし、モノ自体はカカトの減少だけで、他は全然問題ないのに・・・。というのもまたついてまわるもの。。。

上記、長々と述べさせていただきましたが、(修理)加工が可能な造りのものを前提に
お客さまのご理解やご希望が伴えば、出来る範囲でのご対応をさせていただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

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靴修理・鞄修理店 東山Repair Garden【リペアガーデン】

〒464-0027 愛知県名古屋市千種区新池町4-72 TEL&FAX 052‐753‐7248
営業時間 11:00~19:00 定休日・・・土曜日

アシックス 【レーシングシューズ】オニヅカタイガー

今回はご覧のレーシング用シューズの修理加工になります。

元は生ゴム仕様。製造時から時間も経っており、使用と共に素材の硬化・割れ等が見られました。

また現在は当時の規格のシューズでは本来の目的使用が不可ということもあるようで
【レーシング用→普段履き用】への変更をご希望です。

ドライビングシューズにも見られるカカト(つま先)のマクリアゲ部は製造時の接着跡が残る為
似た革を用い革あて縫いにてご対応。

(新ソールの再マクリアゲには限界があり、部分剥がれの危険が大と思われた事からです。)

ご希望の底素材(EVA+合成クレープ板)にてご対応させていただきました。

 

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この進行はスニーカーにも見られます。

当店ではスニーカー修理もご対応の出来る範囲では手がけさせていただきますが
正直なところ、お声かけいただいた物のほとんどが加工が厳しい造りをしております。

特に近代的な造りの物は手がけても見た目醜く、履くに対して不安が残るような手段しか
当店の技術ではご対応ができない場合も多くございます。

そういった面では今回のような造りの昔ながらのジョギングシューズという物が
当店で言う【スニーカー修理】に値すると思います。

昔はウレタン素材での大胆な形成ソール製造の技術がない分、
それが、当時の靴(スニーカー)達は修理が可能な造りをしている。
という事に繋がるのではないでしょうか??

当店の技術では修理加工不可というご判断のお靴も
そつなくまとめあげている修理店さんもございます。

特に、コンフォートシューズやハイテク系のスニーカー等を手がけていらっしゃるのを
見ると感心するばかりです。

以前より思う事に、現在のウレタン形成ソール等は【医療靴】等を手がけていらっしゃる方。
ハイテク系等は製造に関わっていらっしゃる方が修理の面でも
明らかに技術、知識をお持ちなんだろうなぁ。。。と思います。

履物のご相談はなんでも・・・と謳って(しまって)いる当店ですが
当店の技術、知識では現時点ではご対応できないモノも多くあるのが事実です。

・・・が出来る範囲のモノであればしっかりとご対応させていただきたく思っておりますので
今後共よろしくお願いいたします。

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靴修理・鞄修理店 東山Repair Garden【リペアガーデン】

〒464-0027 愛知県名古屋市千種区新池町4-72 TEL&FAX 052‐753‐7248
営業時間 11:00~19:00 定休日・・・土曜日

PANTOFOLA D’ORO【パントフォラ・ドーロ】

今回はイタリアの老舗フットボールシューズメイカー【パントフォラ・ドーロ】のオールソール修理です。

 

こちらの靴は当店で2度目のソール交換になります。

まずに【既製時】と【前回のご対応】になります。

 

そして今回は・・・まずにラバーMIDを縫いかけ、その後Vibram製EVA素材にてのご対応です。

 

お客さまのご要望の【より軽快な履き心地】に加え【底の縫い目を隠したい】との事で取り組ませていただきました。

RUNBIRD【ランバード】ウォーキングシューズ

今回はご覧のウォーキングシューズのカカト部修理です。

この仕事をさせていただいていると、時折ご依頼がある【ウォーキングシューズ】
デパート等での販売もあるせいか、特に上品なご年配女性がお持ち込みになられる事が目立ちます。

これらのウォーキングシューズ、私的には【スポーツメイカ―やしっかりとしたシューズメイカ―の物】と
【その他】という分類分けが出来ると思います。

前者の場合、基本そのメーカーのフラッグシップ的存在になりうるであろう
【造りがしっかりしている】部分を強く感じます。

この造りがしっかりしている物と感じる理由には、やはり歩行靴としての基本構造が保たれている事に加え
素材もウレタンをあまり用いず、タイミングさえしっかりアンテナを張れば、しっかりと直る。との印象がある事からです。

今回は正直【減り具合】が行き過ぎの部分もありましたが、先ずにアタッチをかました上で
ご覧のように対応させていただきました。

 

これらのしっかりしたウォーキングシューズは決して安価ではありません。
また、TPOに応じ履き分けが上手に出来ない私達に本当は1番必要な靴でもあろうかと思います。

このお仕事をさせていただいていると、【とてもくたびれた紳士靴】に遭遇する機会も少なくありません。
私もその場合「歩かれるお仕事ですか?」とお声かけさせていただくと
お客さまのお声も「規則で革靴しか…」なんて事を多々お聞かせいただきます。

もうかれこれ20年程前でしょうか?外国発の【スーツ+スニーカー】のスタイルがありました。

現在でも時折おしゃれな方がそのスタイルであったりするのを見受けますが、
雰囲気は【アパレルさん】かな?という感じの方です。

本当は歩く事がメインの一般の営業職の方にこそ、【機能性+運動性】の良いこれらの良質な靴が必要だろうなぁ。
とも思いますがいかがでしょう??

それにはまず、それらを受け入れられる靴文化がないと難しいかもしれませんね。。。
私も100年後には日本の靴文化が少しでも良くなっている事に期待し、少しでも貢献していければと思っています。

CAMPER【カンペール】 オールソール交換

今回はご覧のカンペールのスニーカーです。(前回の3足のご依頼の中の残りの1足になります。)

ご覧のようにソール全体に【割れ・欠け】等の痛みが生じています。

 

お客さまとのご相談で、同色のクレープ素材を用い既製時と同様に縫いかけをする段取りとなりました。

まずは元ソールを基準に合成クレープ素材を形成。アッパーに張り合わせます。

その後、アッパーとソールを縫いかけして完成です。

 

ソール端は既製時の【丸み】を再現。

色もほぼ同じという事で出来る範囲のご対応としましては上手にまとまったと思います。

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返送後のお客さまのお声です。

履き心地も見た目も、修理したことを忘れさせてくれるほど、違和感がありません。
特にゴミ箱に捨てる寸前だったカンペールが、ほとんど現状復帰しているではないですか!

ソールがボロボロに崩れてきたので、「靴って燃えるゴミだっけ?」なんて妻と話していたのですが、
海外旅行のお土産にこのカンペールを買ってくれた妻も、大変喜んでおります。

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捨ててしまおうか寸前の特別な靴がまた履く事が出来るようになったとの事。
お役に立てて私も嬉しい限りです!

このように靴を通して、多くの方々とコミュニケーションをとらせていただいている現状に
感謝と共に感激しております。

ありがとうございます。

BALLY【バリー】 スニーカーのカカト部修理

今回も前回のスニーカー修理と同様のカカト部の修理です。

現在の気軽に履ける(安価な)一般的な靴はセメンテッド(接着)製法にて造ってあるものが多く、ソールが剥がれた。
もしくは、ウェルトとソールの間に隙間が開いてきた。等【接着が剥がれた。】とのご相談が多々あります。

BALLYも製法上、その類の症状が目立つ靴でもあります。

BALLYの場合、その後安易に接着がきかない。とのケースも多々あることから
修理店さんによっては「うぅっ!BALLYがきた!!」と思われるお店もあるかと思われます。

※ここでいう接着がきかない。のはBALLYのレザーソールの場合ですが
 現在は専用プライマーでの接着下地処理にてスムースに接着が可能な場合が以前より増加しました。

今回のスニーカーはBALLYです。「もしかして…」 

…の心配はなくスムースに対応させていただきました。

 

【バリ~ッ!とバリー底が剥がれた。。。】なんてのは靴修理人にはおなじみ?の一説ですが、
底剥がれの件もさることながら、BALLY愛好の方々が多い事も事実です。

【赤の素材】を使った修理、加工

今回は【赤の素材】を使ったスニーカーのカカト部修理になります。

ご覧のようにカカトの減りが気になり、何か対策を。とのご相談をいただきました。

あります【赤の素材】が。

数年前より目立ち始めた【赤いソール】がトレードマークの婦人靴があり、それに伴いすべり止めやソール保護の用途で
赤いラバーハーフソールやラバーシートも普及しています。

もちろん今回の様な、赤を用いたカジュアルシューズへの対応も可能です。

 

PANTOFOLA D’ORO【パントフォラ・ドーロ】

今回はイタリアの老舗フットボールシューズメイカー【パントフォラ・ドーロ】のオールソール修理です。

この靴は以前にご紹介させていただいた【ドライビングシューズ】に通じる物があると思います。
よって修理内容も【元通り】への復元は困難です。

実は以前に数足程、元に近い造りへのオールソール作業をした事があります。
その時は独特のパーツ類の状態が良く再使用出来る範囲でしたので手がけましたが
今回の状態を考えると、それらの全てを作製していかなければならないと判断しました。

上記の様な場合、正直手間を考えると、当店の設備では商売になりません。
復元という形で直したい気持ちはありますが。。。

という事でお客様にご相談を・・・・。と思った矢先、「一般的な造りのラバーソールで」とのご希望でした。。。
よって下の画像のようにまとめさせていただきました。

 

今後の使用を考えてカカトを付ける事となり、バランス崩れを最小限に抑える為様子を見ながら仕上げました。