今回は和草履の修理になります。
過去私が某靴修理チェーン店に勤めていた7~8年前から、お客さまより和草履の修理ご依頼のお声を多くいただいておりました。
しかし当時ご対応が可能な内容は【カカトの消耗パーツ交換のみ】。
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需要があるのにお応え出来ないのには理由があるのですが、その頃から私が自分のお店を持ったら
出来る範囲でご対応差し上げたいと思っておりました。
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ほとんどの和草履は劣化してしまう素材で造られており、【鼻緒や天(足裏があたる部分)巻(ウェッジ部分)等大掛かりな修理=草履自体の造り変え作業に等しく別物に】なってしまいます。
また素材が靴修理の材料屋さんでは手に入らない。靴用ボンドでは底すらまともに着かない。。。等の理由を
考えれば上記のようなご対応が一般的になるわけです。
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そのような事から当店でも限界はございますが、カカト消耗パーツ交換に加え
【鼻緒や前坪の長さ調整】【底接着】【前坪製作(鼻緒製作は不可)】ぐらいの事でしたら
ご対応させていただいております。
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今回はその中から傷んだ【前坪(まえつぼ)】を作製交換いたしました。

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一般的には【鼻緒の修理】というお伝えをいただきますが、実に鼻緒は【甲にあたるV字の部分】
今回ご対応させていただきました【指で挟む部分】は前坪という正式名称になります。

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長さ調整ご依頼の場合はご来店いただく事を前提にお承りさせていただいております。
またその際に【足袋】をご持参していただく事もお伝えしております。
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ここで1つ。(ご参考ください。)
私が和草履修理のご依頼をいただく中で最も多いのが・・・「知り合いに借してもらったら、分解してしまった。。。傷をつけてしまった。。。」というご相談。
先に述べましたように、多くの和草履は【劣化してしまう素材】で造られています。
またその素材は履いていなく、仕舞いこんでしまっていた状態の方が劣化の進行が早い。という事があります。
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何かの行事の際、「今度履くのは何年後?購入するまでないか。。。知り合いに貸してもらおう。」
または逆のパターンで「今度いつ履くかわからないなら、貸してあげるよ!」この流れが実に悪い事態を招きます。
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要は、ほとんど履いていない見た目綺麗な(物理的には劣化した)草履を履いてしまったがゆえ、
履き始めたと同時に壊れてしまう。という事です。(正直この状態ですと、履き始めた人が誰でも関係ありません。)
これには貸し手さんが理由を知っているならともかく(知っていたら貸さないでしょう。。。)借り手さんは返すに返せない状態に。。。
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またその他には劣化していなくても【和草履を履きなれていない方は傷つけ易い。】という事もあると思います。
普段履きの夏用サンダル気分で履いてしまえば、やはりなるようになってしまいますし
恐らく神社等の【砂利の中】を歩けば傷だらけにしてしまうということもご存知ではないでしょう。。。
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このような事から、【和草履は決して安易に人から借りてはいけないシロモノである。】と私は感じています。
また行事式場に【レンタル草履】がある場合はそれを利用されたほうがよろしいかと思います。
実に当店へ式場のスタッフの方々が修理ご依頼に来られていますので、
もし壊れても式場(貸し手)側は事情は理解されていると思います。
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和草履で困られたお客さまがこの記事を検索していただく頃には【時すでに遅し】なんですよね・・・。
皆さまFBで今のうちからシェアしてくださいませんか??(笑)
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靴修理・鞄修理店 東山Repair Garden【リペアガーデン】
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