今回はご覧のブッテロブーツになります。

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お客さまよりの当初のお伝えはオールソール交換?との事でしたが、現物を拝見させていただき
ご相談させていただいた結果、【ヤラレパーツの補修】という事で進めさせていただきました。
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その中の1つの項目として、ハーフソールをどのように施すか?という事があります。
メイカー製造時のような底縫い(共縫い)の進行であれば、ハーフソールの交換の都度
縫い直す必要があります。
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今回の場合、このハーフソールに施されている縫い方は一般的に【アリアン・マッケイ】と呼ばれる縫い方になり
靴の中底へ直に縫いを入れる事になります。
という事は、ハーフソール交換の都度の底縫いで中底が痛む。という解釈も。
それがマッケイは何度も何度も修理がきかない。。。と言われてきた事に繋がると思います。
それならば、前回のブーツのように【中底交換すれば?】という事になりますが
フィッティングの変化等も考えれば、当店の場合はなるべく避けたい進行でもある。という事になります。
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このような事をふまえ、最終的なお客さまからのご指示はハーフソールは【圧着のみ】で。
しかし【縫いが施されている見た目は維持してほしい。】という事でした。
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当然圧着のみのリスク(剥がれ)もありますので、それをご理解のもとに。

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ソール土台とハーフソールそれぞれに縫いをかけてのご対応です。
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少なくとも以後数回は土台底縫いを触らず、ハーフソールのみの交換が可能と思われます。

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これはほぼオールソール工場に近い状態の当店での、私的な考えの1つになりますが・・・。
メイカーさんの製造工程で装着されたソール(その靴の為に用意された木型等を用い装着されたモノ。)は
実はとても貴重である思います。これはロゴとかそういう類のモノではなく、靴の物体バランスとしての事です。
大げさか~もしれませんが、ソールを換えれば【別の靴】と捉えるべきかもしれません。
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また、まだまだ使用可能なソールを引っぺがすのは、靴にとってはしなくてもよかった外科手術を施されたようなモノかも?(見た目重視の場合は美容整形という事ならば、時にはアリ?なのかもしれませんが。。)なな~んて思う時もあります。(考えすぎでしょうか?)
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・・・という事で、なるべ~く元の(土台)ソールは維持していきたい。これが当店のベーシックな部分の考え方になります。
その靴自体の元バランスを維持しながら【なるべく消耗品パーツのみの交換】で対応する方法。これが私の考える【修理】になります。
とはいえ、お持込み時の状態やその靴の構造によっては大がかりにやるしかない。という選択肢しかない場合もありますが進行に対し、選択肢がある場合はあくまでお客さまのご意向を主体に進めさせていただきたいと思いますのでまずはお考えの方法・進行をお伝えいただきたいと思います。宜しくお願いいたします。
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※市販靴に時折見かける構造上意味のない【ダミーステッチ】にはため息が出てしまう事もしばしばですが、
今回のようなオーナーさまからの【知っての、敢えての】の部分でのダミーステッチはソレとは異なるモノだと思います。

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