今回は【OIL(オイル)入れ過ぎ注意報】をお伝えしたいと思います。
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過去にも数えきれないくらいのオイル入れ過ぎブーツのご対応をしてきましたが、
昨秋~今冬にかけこの状態のブーツが非常に多く目立つ為、
今回私なりに【OIL入れ過ぎ注意報】を発令(発表)してみたいと思います。
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よくあるケースに
①しばらく仕舞いっぱなしのブーツを引っ張りだしてみたら革がカチカチになっていた。
②ブーツがあまりに可愛い為、頻繁にオイルを入れていた。
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手持ちの【ミンクオイル】のダダ入れ。。。
これは正直【NG】だと思います。
お気持ちはと~ってもよく解りますが、以下のような事になってしまいます。
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まずは【革にコシがなくなる】
いわゆる【クタクタ】という状態。
靴は体重をかけ、ひん曲げるモノなのでそのような状態ですと【型崩れ】をおこします。
例えるならば【革の巾着袋】みたいになってしまいます。
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次に【ベタつく】
触れるとヌルヌルベタベタの状態。
完全にオイルの入れ過ぎです。
ベタベタの表面に埃・ゴミを付着させ黒ずんでしまいます。
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過去よりの経験ではそのような症状が多く見られるモノは
ほとんど【ミンクオイル】でケアされているブーツです。
ミンクオイルを使用されるのであれば、最低限の量をシーズンに1回ぐらい?というような
忘れた頃のご対応で充分だと思います。
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ここでオイルの入れ過ぎによっておこる症状をご紹介してみます。
まずは【接着材剥離】です。
過度のオイル添付は接着を剥離させてしまいます。
よって・・・このような
【ソール剥がれ】(お客さまご自身で再接着を試みた跡もみられます。)をおこしてしまうケースもあります。

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次も同じ症状です。
レザーウェルトへの過度なオイル入れの為・・・

ウェルトとMIDソールが完全に剥離してしまっています。
(※しっかりした接着を試みるにはオイルレザー用の下地剤が必要になりますので
下地剤の添付が可能なバラし作業が必要になると思います。)
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そして今回一番にお伝えしたいのが、以下の事柄です。
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【修理店にお持ちになる直前での過度なオイル入れ】
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お気持ちは本当に理解できるのです。
「さぁ、靴を直そう!そうだマズは自分で出来る事は自分でやろう!」
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しかし実は修理店内ではこのような事がおきています。
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まずにヌルヌルベタベタの表面状態から
作業時手でしっかり支えようとしても【滑る】。。。
グラインダー作業や刃物を用いる作業時に靴や手が滑るのは正直厳しいです。。。
そして手もヌルヌルベタベタでは安易に他のモノにも触れられません。
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次に・・・「その都度手洗えばいいじゃん!?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが
実にこのような事もおきています。

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修理時には【多くの粉塵が舞います。】
はい、ベタベタのブーツなので粉塵付着満載になってしまいます。。。
(可能な限りは落としますが。。。)
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例えるならば、【嵐の前の洗車】というような感じでしょうか??
草木も水をやり過ぎれば枯れてしまいます。。。
胃を持たない金魚に餌をやり過ぎては死んでしまいます。。。
【様子を見てのご対応がBEST】。【足りないぐらいでもBETTER】だと思います。
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多くの(100%かも?)修理店さんは、
例えば【ソール修理】と【靴磨き(オイルアップ)】のご依頼をいただいた場合。
【靴磨き(オイルアップ)】は必ずソール修理を終えてから施します。
コレには【理由】がきちんとあるからです。
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今回のお伝え悪意はございませんので、上手にご理解いただければ幸いです。
繰り返しますが出来る事ならば・・・
【修理店に持ち込む直前のオイル入れは避けて】いただける事をご検討いただければ幸いです。
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