今回も前回に引き続き【サンダル修理(トング切れ)】の対応策1例です。
ご依頼品はこのようなサンダルになります。

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画像【向かって左側】のトングが切れてしまっています。。。
よくみれば【修理加工が既に施されてありました。】
そこでコチラの詳細をお聞きしたところ「とあるお店で修理後2度目で繰り返し切れてしまった。」との事でした。。。さてどうしましょうか??
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まずは前回の修理内容をよく見たところ【革アテ縫い(補強材なし)】が施されていました。
皮革製品の修理では【革アテ縫い】対策は日常的に行う手段の1つになりますが
その際に【補強材】を仕込むか仕込まないかで後の強度は全く異なります。
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特に今回のように荷重が半端なくかかる場所へ補強材無しに革アテ縫いを施せば・・・時間の問題であると思います。
※革に縫いをかけるという事は革にミシン目を作る事になります。紙のミシン目を想像してみてください。(特にトングは細いパーツなので、縫いを施せば元の革素材自体の強度はほとんど残らないと考えるべきでしょう。)
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【今回の対応策】です。
実はこのトング部分を見た瞬間に懐かしく思いました。
私は小学生の頃【カブスカウト~ボーイスカウト】に所属しており
その中で教えていただいた【ロープ結び】が現在でも大変役にたっています。
そのロープを保管する際によく結んでいた【エビ結び】これを見た瞬間に思い出したのです。
【エビ結び】赤いロープにて対応してみると【立派な正月飾り】になりますよ。(リンク貼っておきます。)

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これを応用すれば、どうにかなるかも?との事が頭に浮かび、
繋ぐのであれば荷重が直接かからない場所で。等々考えながらバラしてみると・・・。

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今回の患部の延長にあたる一番上の部分だけ上手に外れてくれました。(考えて作ってくれてました!!ラッキーです♪)
構造が理解出来れば、このような対策に持ち込めます。
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【補強素材を仕込んだ革帯】を作製(今回は敢えて接着のみで縫いかけなしの元同仕様)。
ご覧のような元造を再現いたします。
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あとはトング修理に不可欠な前面底剥がし~再接着にて完成となります。
(この方法ならば、今後絶対に切れないか?と言われれば【・・・切れる時には切れてしまうでしょう。】とのお答えになってしまいますが、【試す価値】は多いにあると判断し進めてみました。)
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トング切れの大半はソールへの入り込み部分になります。
上記させていただいた荷重の詳細からこの部分への繋ぎ加工は【避けられるのであれば避けたほうが良い】と思います。
次回も引き続き【トング修理】を考えておりますのでよろしくお願いいたします。
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