今回はアイリッシュセッターのブーツカカト部修理です。

お持込みになられた状態はアウト&ミッドソールを通り越し、ウェルトまで削れてしまっていました。


そこで、ウェルト補修も含めオールソールをご提案しましたが、お客さまのご希望はカカト部のみとの事。
私は最近の数あるソール交換カスタムのせいか【トラクション修理=ソール交換】という考え方が当たり前になっていたように思われます。

・・・がお話を進めていくうちに思い返される事もありご希望通りの方向で着工させていただきました。

 

強引といえば強引ですが、【漢の靴】としてはどうでしょうか?

近年のワークブーツ修理はまるでドレスシューズかのような【小奇麗】さが主流です。
私もハードなブーツを履き始めて20年余り、確かに「男のハードなブーツはツギハギだらけぐらいがカッコイイ!」的な
履き方、考え方をしていた時代がありました。

実は今回のお客さまもワークブーツにはかなり通な方でした。
お話をさせていただく中、過去の自分にもそんな考え方があった事を今一度思い出させていただけたお話をいただいたのです。
(確かにワークブーツはRAT的な部分がかっこいいと思わせる時代の流れもありました。)

そして、後日奥さまのブーツも同様に修理させていただきました。

 

ある意味、今の時代にはそぐわない修理方法かもしれませんが、これって【ECO】だと思いませんか?!
現在【修理=ECO】のような考え方もありますが、やっていて、そうでない部分の事も多々感じます。

しかし、この修理方法は確実に【ECO】です。まさに現在の時代にそぐった修理方法の中の1つだと言えると思います。
材料は今回を機にストックいたしました。よろしければこのような方法の修理もいかがでしょうか?

【トラクションカカト部修理 ¥2100~(減りの深さが1cm以上の場合¥3150)】