今秋冬、ワークブーツの修理で特にご依頼が多いREDWING・BECKMAN【ベックマン】。
数え切れない程のご依頼をいただいておるBECKMAN。・・・しかし症状はどれも皆同じなのです。。。
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メイカー純正の凹凸型ハーフソールの割れ。(中にはMIDソールまで割れているモノも。。)

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MIDソールが割れてしまっているモノはMIDの再構築は必至だと思いますが、
MIDが無事であれば、【凹凸型のハーフソールのみ】の交換も不可能ではありません。
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このブーツ、ウェルト以下は約3㎜程のソールが2枚+凹凸型ハーフソール。
この純正の仕様では凹凸型ハーフソールごと底縫いをかけています。
思うに、この仕様はソール素材の特性の事もきちんと考慮した上での【1つの完成系】だと思います。
薄いソール×2枚は割れやすい素材ゆえのマネキへの配慮。
耐摩耗性重視のウレタン製の凹凸型ハーフソールへの共縫いの必要性。です。
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一例に、修理時に施す凹凸型ハーフソールは当店の場合はVibram製等のラバー素材になります。
その事で上記画像のように【時間と共に割れる、崩れる】という症状はほぼ無くなると思われます。
また凹凸型ソールへの共縫いは確かに【ヴィジュアル面】での事や【不意な剥がれ防止】という事に対して
効果が出るのとは思うのですが、いざ交換(修理)をしようとするとその都度の底の縫い直しが必要になります。
履いていれば切れてしまう縫い糸の効果は考え方次第ですが、以後の修理を考慮すれば
凹凸型ハーフソールは【圧着(縫いかけなし)】という手段を当店ではご提示、おススメしております。
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理由に、毎度縫い直す事でのウェルトへのダメージを緩和出来る事。底縫い糸の保護という事に繋がるからです。
もちろん底縫いを含めた、加工進行の詳細はお客さまにいただいた最終ご指示が進行内容になります。
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それでは数足の異なるBECKMANへの異なるアプローチ進行をご紹介してみます。
まずはこちらのBECKMAN。
【純正の薄手2枚分のソール厚を1枚の厚手レザーソールを用い進行した仕様です。】

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次はこちらのBECKMAN。
【ヴィジュアル面や純正のコンセプトを少しでも継続したい。という薄手レザーソール×2枚仕様です。】

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最後はこちらのBECKMAN。
【基本的にはヤラれた凹凸型ハーフソールのみの交換をご希望。ハーフソールを施す面(既成のソール上)に極薄のレザーを接着後に後方の既存ステッチと繋ぐように共縫いを施し、接着環境の再構築を行った仕様です。】

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このように、元の造りの意味を考えれば修理方法もどのようなアプローチで進めていくか?
考えてみるのも面白いのかもしれません。。。
ちなみに当店の場合はほとんどのお客さまが凹凸型ハーフソールは【圧着のみ】で進められているのも事実です。
・・・が上記しましたように、お客さまより最終的にご指示いただきました内容で進行させていただきます。ご参考ください。
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現在の当店は非常に多くのご依頼をいただいておる最中です。
内容によりますが、現在は納期はそれなりにいただく可能性もございます。
宜しくお願いいたします。
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