今回はVibram凹凸型ソールを使用した進行の一例です。
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まずはこちらのCHIPPEWA【チペワ】ブーツ。

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元のソールはカカト部にハーフスリップなる【スペーサー】をかましたVib#4014でしたが
ご希望のVib#100(ハニー色)への変更。いわゆる【カスタム】と呼ばれる進行です。
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・・・が何故に【スペーサー】がかましてあるのか?
それはブーツ自体が#4014ソールのカカト高では足りない木型より造られている事からの【スペーサー】。
今回の#100はカカトの高さ調整が可能な為、かえって【木型】にそぐった自然な容が造りやすい。という考え方も。
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そのような考え方をすれば、【カスタム仕様】の既製品を自然な流れに戻す。というような考え方も出来るのか~もしれません。

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次はご覧のTimberland【ティンバーランド】ブーツです。
お持込み時はソールが【加水分解】しておりボロボロと崩れ落ちてくるような状態でした。

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つま先にスティールが入った安全靴仕様。
このブーツは初めて見たのでお客さまへ詳細をお尋ねしたところ・・・
「アメリカに行った時に購入したモノ。大事にしすぎてほとんど履かないまま仕舞い込んでしまって。」との事でした。
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さて、ソールの交換はともかくウェルトはどうすべきか?
履くに従いこのウェルトは素材上、割れてしまうかもしれません。
そのようなご説明の結果、「ウェルトはそのまま。ソール交換のみで。」とのご指示をいただきました。
(最悪、【履物ではなく、思い出のオブジェ】でも構わないから容を造って欲しい。との事でした。)
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という事で進めていく段取りに。ご希望のソールはベージュ系凹凸型ラバーソールとの事でした。
(私の中では画像の【#1136/#100】を考えていました。)

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・・・が実はここで私の見積もりが狂いました。理由はこのブーツのカカト面積がとても大きいという事。
一応にご対応時に「オンライン(ギリギリ)の素材合わせが可能か?」と判断していたのですが
実際ソールを張り合わせる時点になり【本体のカカト部面積に対し、ソールのカカト面積が若干足りない。】という事実。さ~て困りました。。。
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過去の作業でもTimberlandや特にホーキンスのブーツは【カカトの横幅が異常にデカい!】という事から【要注意】と
常にアンテナは張っていたのですが、それらの時は素材色が黒。
黒モノ素材は種類が豊富な事からその都度なんとか凌いできましたが、
今回は【ベージュ系】。素材の種類は限られています。
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さてどうしたモノか?と思いきやVibram528Kという凹凸型【EVA(スポンジ系)】の存在を思いつきました。
あまり聞きなれない品番だと思いますが、このようなソールになります。

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画像のように【#1136と重ねれば、カカト部の横幅が大きいのが見てとれます。】
「これならばサイズ的には大丈夫。でもご希望のラバー素材ではない。。。」
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上記の内容をお客さまへお伝え。
ご希望のラバー製は厳しくEVAならば。。。との事に快く承諾をくださりました。
結果は・・・

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【怪我の功名】 既成時のウレタン仕様に限りなく近いルックスにまとまり
お客さまからも喜びのお声をいただきました。
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今回の件を勉強に。カカトのデカいソール【528K】【#132ハニー】を店頭に常備しました。
【528K】は黒・茶・ベージュの3色を。
【#132】は今まで黒モノはご用意していたのですが、【ハニー色】を。(但し現時点では大きなサイズのみ)

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ご興味がある方はお声かけください。
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靴底面の形状や面積によりご希望のソールの装着が困難であった事は正直なところ今までに少なくはありません。
一例に最後にお伝えした【#528K】や【#132】でも横サイズに重点をおけば
縦のソール底面模様が綺麗にまとまらない。という事もあると思います。
過去の経験ではサイズの小ぶりな靴にはご希望のソールの底面模様がまとまらない。。。なんて事も多くありました。
一応にご参考いただきたく思います。
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