今回はご覧のサンダルの件でのご相談です。

 

歩行に伴い、まねかない(曲がらない)ソールは他の箇所により負担がかかります。

今回もそのような造りで接着部分の剥がれが生じている事に加え、巻き込みで張ってある中敷きが汚れていたりということで
どうにかしたいというご相談でした。

またお金をかけてでもお気に入りの既存の【オレンジの部分】を活かしたいとの強いご希望でしたので
打ち合わせを繰り返し、出来る範囲の事でのご対応をさせていただく事となりました。

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今回のお客さまはご遠方からのご依頼でしたので、電話やメールである程度の詳細の打ち合わせを
させていただきました。

下の画像はご希望の【ベージュ/クリーム色でまとめたい】とのご希望での入手した素材料です。

①5mm程の厚みのソールを。とのご希望に5mmのベージュ合成クレープシートを。
②中敷きに汚れが付きにくい合皮をとのご希望でしたが、的に値する合皮素材が見つからず、表面がツルツルした革素材を。
 

③ヒールはヨコシマ(スタック)革でナチュラル仕上げをとのご希望でしたが・・・これがスムースには行きませんでした。

③の問題はまず靴本体との設置面積がまるで足りません。
何十ものヒールを合わせてみた結果上、こちらのヒールを元に加工するという事でご了解いただきました。

 

新規のヒール靴本体側に革を面積が合う所まで数枚積み、その後スタック革を巻きます。
この際も積み革に対し十分な強度がとれるように対応します。

以上①②③の画像と内容をお客さまにご提示させていただいたところ、
ヒールの仕上げ色の再確認をいただき着工となりました。

結論から申しあげますと、今回は【愛しのオレンジ】を残してほぼ造り変えになりますが
元の中底を利用し、なるべくフィッティングが変わらぬ様に。
また前後の高低差、加え強度の3点には特に気をつけて進めてみました。

元ソールからの仕様変更に伴い、ご覧のような【シャンク・ファイバー芯】を本体のカカト~フマズの部分に仕込みました。
(これらは元ソールにそぐい癖を付けました。)

少々格闘した後、【愛しのオレンジ】はご覧のようにまとめさせていただきました。

 

返送後、お客さまからご納得のご連絡をいただき安堵いたしました。
シーズン物であった為、1日でも早く履いて頂ける事を望んでいたので、喜ばしい限りです。
ありがとうございます。

今回のような作業は【お見積り】とさせていただきます。(造りにより着工不可の場合有)
また、詳細打ち合わせ、材料の手配等でお時間や妥協が生じる可能性もございますが、
よろしければ、1度ご相談いただければと思います。