前回の続きになります。

まずはアッパーカカト部の【Before/After】です。

 

いかがでしょうか?(左右両足のご対応をしています。)

しかし、実は形こそ整いましたが本来の靴を造る上での対応は出来ていません。

理由に【カカト芯】の交換となりますと、それこそ靴を多々バラし、芯を入れ換え再度つり込む・・・という事が必要です。
もちろん、それも製靴時の木型があっての事です。

上記が修理ご相談時に【厳しい】と判断し、お客さまへお伝えした理由になります。

そして今回、お客さまのご希望に対して【私が出来る範囲】で対応させていただいたのが次の方法です。

 

バラバラに砕けた樹脂製のカカト芯を出来る範囲で取り除いた後、型どり+硬化させた革をご覧のようにアテガイ縫い戻しました。

この方法はご覧のように靴をバラバラにせずとも対応できる方法ですが、
このご対応方法では【カカト芯交換】ではなく、【カカト補強】というのが正しいのかもしれません。

・・・が【After】の画像のように、ひとまずまとまった現状です。

加え、Vibram♯700でのオールソール交換です。
(ご依頼時装着の10mmリフトから、現チペワ純正の♯700リフトを使用し【元へ…】とご対応させていただきました。)

 

最後はアッパーの風合いをどうするか?
お客さまご希望の【出来るだけ元へ・・・】との事であれば・・・真っ黒に!?

いや・・・ここまで履き込まれて生じた風合いは出そう物にも・・・。
という事で【私の出来る範囲】での修復はここまで。とさせていただき
完成間近の最後のアッパーへのお仕事はお客さまへ託させていただいた上
ご自身のお手元にての完成をご依頼いたしました。

返送後にお客さまよりお喜びの様子を伺え、安堵いたしました。
非常に味の出ている20年物のブーツ。今回の【お手入れ】で更なる年月を共にしていただけるのではないでしょうか?

遠方よりのこういったブーツの修理を託していただけた事、靴修理人としましては本当に嬉しい限りです。
ありがとうございました。