今回はご覧のTONY LAMA ウェスタンブーツの加工になります。

【ホワイト×ブラウン】のツートーン。つま先をトカゲ革で装飾した【リザードチップ】。
いかにも70’s~80’sのウェスタンブーツの代表的な雰囲気を醸し出している中性的なデザインのブーツだと思います。
(確か、ジュリー【沢田研二さん】も履いていたように思います。)

今回お客さまからは「現在ほとんど出番の無いこのブーツを現在風(ごっつめ)にアレンジして欲しい。」
というご要望をいただきました。

・・・がいかんせんこのデザインは【色気】や【独自性】が非常に強く出ていると思われ、
ある意味【完成しているウェスタンブーツ】MODELの1つだと思います。

よって、当時「素敵なブーツだ。」と感じられても【いざ履くには気が引ける・・・。】
という方々も少なくなかったのでは?と思ったりもします。

私も中学生時代にこのような、つま先が尖ったウェスタンブーツに魅かれ、
現在までブーツにのめり込み続けている口です。

思うに男性の場合でも履けるハイヒールのような代物。

つま先の尖り、絞り込んだ高いヒール、独自の色合いやデザインを考慮すれば
【ご希望の流れにまとめあげる事は無理!】という判断をさせていただいたのですが、
お客さまの強いご希望の元、あれやこれや着地点を絞りこみ、先に進めさせていただきました。

 

まずに【Vibram#705】を使用し、ソール前方の厚みの増加。
本来ならばその厚み分も後方ヒール部で補って初めて元バランスが保てるのですが
ここはあえて、【ストレートのローヒール】に。

当初のご希望はVibram製のハードタイプ・ラバーソールをご希望されていらっしゃいましたが
今回のウェスタンブーツのシルエットやデザイン。また構造上の事も思えば
まとめあげるにも、先が見えてしまっている部分を強く感じてしまったことからのご対応です。

一応に、「どのようになるのか、お客さまがどう感じられるかが心配・・・」というのが本音でしたが
お客さま曰く、「とにかく履きやすい!全体的な雰囲気、仕上げから出番は増えそうだよ。」
とお伝えいただき安堵いたしました。

靴底やバランスの変更はあれども・・・
私個人的には「やはりこのアッパーは最強の代物の中の1つ」だと改めて感じさせていただきました。

残念ながら、画像にはないのですが、ジーパンからのぞき出た加工後のブーツのシルエットは
また違った雰囲気を醸し出す、興味あるブーツにも感じました。

ご利用ありがとうございました。

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実は私、中学生の頃から現在までの25年近くの中で集めあげた
ウェスタンブーツは(無駄に増えてしまった物も含めると)数十足になり、
やはり、その中には【リザードチップ】が数足あります。

私の場合は画像の【パープル×ブラック】をはじめ【ライトブラウン×ダークブラウン】の2足が手元にあります。

確かに、今回ご依頼いただいた【ホワイト×ブラウン】がいかにも!という色合いで
昔から「リザードチップはこの色だよ!」とは思っているものの・・・。

実は・・・【いざ履くには気が引ける・・・】というのは私の事だったりもします。。。