今回もRED WING PT83 の流れにて。エンジニアブーツのソール加工です。
正直なところ・・・見た目は状態が非常に良い物で、お客様のご確認を取りながらの進行です。

県内より・・・といえども決してお近くではないところから、遥々ご家族でご来店いただきました。

ブーツはこちら。

RED WING 【レッドウィング】 PT83 エンジニアブーツ 
(20年近く前に購入されて上でも数えられるぐらいの使用頻度というブーツになります。)

 

まずに・・・加工に際し、今回も事前にお話をさせていただきました。
・・・というのは、現在このブーツ。この状態では【プレミアムブーツ】として、巷では持て囃されている現状です。

よって、状態が非常に良い!とのパッと見でもわかる状態から・・・
私からは「現状のままならば、よいお小遣いになると思いますが・・・加工しますか?」というお話をご提示させていただきました。

お客さまご本人にも当初は「???」の部分はあったと思います。
お聞きすれば、20年近く・・・履けばしんどく、ずっと仕舞いこまれていたものとの事。。。

「【小遣い稼ぎ?】いやいや・・・ストレスなく履ければ、生涯履いて行きたいブーツなんですよ。。。」との
ご家族の前で断言された事で、私からは何も御遠慮さずにベストを尽くせば良いのだな。。。
との事で進行させていただきました。

…という事で着工させていただきました。

【PT83】というカテゴリは20年近く経っているブーツと言う事になりますが、
履きこまれているブーツは、やはりそれなりにダメージが伴っているのが見受けられるのが通例の中、
今回のブーツは当時のご購入の後、ご自身のご判断で「しんどい・・・履けない。。。」との事で
ずっと仕舞いこまれていらっしゃったそうです。

とはいえ、そのお話だけでは【履かずのブーツこそ時間をおき、再び履き動かす事にあたって困難が生じる(経年劣化等もあり)】
という事の前例から躊躇してしまうお気持ちもあったのですが、今回のブーツは実に全体的に「しっとりと…」。

まるで、最近店頭からの・・・という現行ブーツに近い【これからのブーツ】と見受けられました。

結果・・・バラしてみても、ご覧の通り20年前のブーツに見受けられる
【ダメージ】【固着】が一切見られず・・・との状態でした。

「保存環境が・・・自然と良かったのでしよう!」と鑑定団の先生方が稀に言われそうな状態です。

【乱獲】っていう言葉がありますね。。。
ドードーも狼もその餌食になり【絶滅】【瀕死に近い】というアリサマです。。。

私感ですが、それは【ブーツ】特にビンテージブーツの良ソールにもそれが当てはまるような気がするここ数年。。。

状態の良い、希少オリジナル仕様のブーツを安易に改造してしまう流れに
自分がいる事にしんどい想いが生じていたのです。。。

しかしもって、私が出来る事は【情報】と【私感】をしっかりとお伝えする事。
加工するブーツはあくまでお客さまのブーツ。

という想いでの・・・矛盾。。。

とはいえ、今回の結果・・・
「これは良い!。ガンガンと履けそうです!」とおっしゃっていただければ
また【それが良い!】とも改めて思わせていただけるご機会と相成りました。

仕様はご希望の・・・

 

【Vibram#4014】を主に。との仕様になります。

 

私も・・・進めるのならば・・・という事で出来る限りのご対応を。

結果、お客さまがご納得いただけたことで、世間の流れとは異なる
【ワンオフ】ブーツになっていただければ幸いです。

今回のお客さまの意思、ならび喜ばれ具合は【お小遣い】程度ではなく
20年来のお気持ちが実った事実として、プライスレスなお手伝いをさせていただけたと思います。

先々、靴修理加工にては矛盾は生じる事は予測されますが、今回は素直に嬉しい修理ご依頼になりました事
感謝申し上げます。

【靴修理はお客さまのお気持ちと共に。。。】
まさに、私が数十年お客さまサイドの立場より、直に望んでいた事です。
物理的は元より、それ以上に【想い】だとの見解です。

靴修理は人によっては【所詮】ですが、人によっては【されど】です。

私は私なりに進むべき道を突き進んで参りたいと思います。

今回は強いご意思のお伝えありがとうございました!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

将来の価値・・・フルオリジナル仕様が持て囃される事になるのは
ギブソン・フェンダーギターで立証済みなのですが、
ブーツはどうなることでしょう?

確かにギターの場合は「チューニングの狂い=ペグ交換】【ピッチの狂いはフレット調整(交換)】となり
あくまで実使用を考えれば、致し方無いのかもしれません。。。

そういった意味合いではブーツの実使用=ソール交換になるのかもしれませんが、
1958年、1959年のギブソン・レスポールのフルオリとペグ交換物とでは価値が大きく違うもの事実です。

個人的には【実使用派】ですが、無駄な交換は避けたいところかもしれません。。。
思い返せば、私の多くのブーツは必要最小限の修理が主で大胆には【いぢっていない】のも事実です。

その靴(ブーツ)のコンセプト自体を楽しむという気持ちも当然ありますし、
いぢったところで【+-】=【-】と経験上思ってしまう事もある事からだと思います。

しかしもって、靴(ブーツ)は正解が無いものだとも思います。
【履きたい!】【楽しい!】と思わせる靴(ブーツ)達はまたそれに当てはまらない価値のある代物だとも思います。

【(こだわるが・・・)履き物には正解は無い。。。】

これが靴を追いかける衝動になっていると思いませんか?
少なくても、私の場合はまさにそれなんです。。。

靴修理を初めにしたのが、10代半ば・・・
修理を仕事として自身が始めたのは30代初旬・・・

当時、靴修理が現在のような【満たされた環境】であったならば、私は修理屋にはならなかったのかもしれません。。。