今回は2足同時にご依頼いただいたラッセルモカシンのソール交換+αです。

まずに【生ゴム→Vibram#2060(茶)】です。

【Before】

 

【After】

 

既存のMIDソールはそのままに【アウトソールのみ】を圧着交換しています。

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次にベージュ・スエードのラッセルです。※【構造を考慮してみての進行です。】

まずにラッセルには【シングル/ダブル/トリプルバンプ】という構造の仕様があります。

詳しくはここでは紹介いたしませんが、要は袋上にアッパーを構成し
足を包み込むような造り+その底の部分の革を重ねることで【耐水】等もいくらか図ろうとする
ラッセル独自の造り。

このような事をまずは頭に入れれば、以下の進行も面白くなります。

実は今回の加工に際し、お客さまのご意向は【レザーMID(ナチュラル仕上げ)】を
追加し、同ソールを異色にされたいとのことでした。

基本レザーMIDを間に追加するという事では、当店の見解では
そのMIDソールにも縫いかけを施すべきとの見解です。

ここでフリダシに戻しますと、今回最初にご紹介した【生ゴム→#2060】の場合は
既存のMID(底縫い)をそのままにアウトソールのみを変更すれば良かったのですが
縫いかけ有りのMID追加となると、少々異なります。。。

 

画像を見ていただくとお解りだと思いますが、靴の内側に施す底縫い(アリアン・マッケイ縫い)も見られず、
加え、ウェルトにかかるダシ縫いも見られません。。。

しかしこれらのラッセル既存MIDソールにまでしっかりと底縫いがかかってるのです。
「???」ですよね。。。

実は上でご紹介し構造の【ダブル/トリプルバンプ】という構造のものは
底縫いがすべてのバンプを貫通していないのです。

よって縫いがかかっているバンプと縫いがかかっていないバンプが重なって造られているわけです。
この辺りが、【防水】等を配慮したメイカーのコダワリ製法であると思われます。

それでは今回、どのようにご対応すべきか??

私のラッセル(シングルバンプ)をサンプルにお客さまとご相談させていただいた結果・・・

 

【見た目】よりも【バンプ構造】を保持される事になりました。

(私のはシングルバンプゆえのアリアン・マッケイ縫い×2(+ダシ縫い)仕様です。)

よって、今までなかった【ダシ縫い】にてご希望の追加レザーMIDを縫い付けた後、
#2060という構成になっています。

 

見た目を保持するのであれば、靴の内底を貫通縫いする【アリアン・マッケイ縫い】となるのですが
なんの為のダブル/トリプルバンプか?とメイカーのコダワリ製法を考慮すれば
自ずとこちらになるのも見えてくるのかもしれませんね???

お客さま、迷わせてしまって申し訳ございません。
でも、何も考えずでラッセル独自製法のダブル/トリプルバンプを貫通されるよりは絶対に良かったと思いますから・・・
ご勘弁ください。。。

 

ご利用ありがとうございます。

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私もラッセルは各バンプ所持しておりますが、今の時期、シングルでは地べたからしっかりと寒さが伝わります。
【防水性】も含め、そう言った意味合いではダブル/トリプルは優秀かもしれませんが、
またシングルは通気性が良く、柔軟なことも事実です。

使い方次第ですね!

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