季節の変化と共に、多くの方の足元も変化してまいりました。

という事で、今回はトング(鼻緒)サンダルのオールソールになります。

甲部をまとう部分こそ革なのですが・・・中敷きは合皮。
ソールはポリ・ウレタンということでご覧のような加水分解(劣化)状態です。

 

お客さま曰く、お気に入りのサンダルという事で「何とか引き続き履いていきたい。」とのご要望。
お近くの修理店さんではご対応不可とのご判断だったそうで今回は長野県よりご依頼いただきました。

既製はウレタンソールということから長所を上げれば、独自の【クッション性/軽さ】という事がありますが
短所は実にその素材の性質上【履こうが履かまいが劣化する】という事があげられます。

今回はお客さまとご相談の上、【劣化しない素材】にての造り直しとなります。
もちろんこの進行にもリスクはございます。

まずに、ウレタンの長所がなくなってしまう。(重く、固くなってしまう。)
次になるべく似た感じの雰囲気を。という事で、パーツの組み合わせで新たに構成する為、
各パーツの分解(接着ハガレ)の可能性が生じる。

等々・・・あげられる事はお伝えさせていただいた後、先に進められるご判断をいただきました。

新ソール素材は【EVA+ラバー】になります。それでは進めてみましょう。

今回は作業を進めるにあたり、工程の内容から要領の良く中敷き交換が可能な為
レザー中敷きに交換する事になりました。(既製は合皮なのでこれも劣化していました。)

中敷きは安易に交換できる(上から接着で貼ってある)造りでなく
足裏があたるソールに【巻き込み】で施してある為、ご覧のようなところまでバラしました。

 

あとは元のシルエットに近づけながら仕上げてみました。

 

正直申し上げますと、今回の修理は高額の部類だと思います。

私もそのような事から、お客様には「割り切れれば、次に目を向けられるタイミングなのか~も?しれませんが・・・」と
お伝えしたのですが、お客様からは愛着ゆえに先に進めるようにご判断/ご指示をいただきました。

サンダルにはオーナーさまのご意向もふまえてもらい、高額な修理費用分以上の活躍をしてくれる事を期待したいです。

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靴修理・鞄修理店 東山Repair Garden【リペアガーデン】

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